食としつらい、ときどき茶の湯

ふつうの暮らしをちょっとよく。背伸びしないで今日からできる、美味しくて心地よい暮らしのヒントを集めています。

家をつくろうとする方・つくられた方の傍で、 家 人 暮らしを永年見守り続けた 元・建築設計事務所 広報担当から
日々の暮らしを見つめるヒントをお届け。家の捉え方、 暮らしの向き合い方を見つけるきっかけになれば嬉しいです。

食で季節をつかまえる 松茸ごはん

夕方、突然母がやってきて「これ、おすそ分け」と持ってきてくれたのが松茸。
父が友人からいただいたらしい。高級食材を食べ慣れているわけじゃないから その良さやうんちくみたいなものは正直よくわからないけれど、食を通じて四季を堪能できるのは心のそこから嬉しい。

目と、鼻と、舌と。

年に一度、やるかやらないかの松茸ご飯。お米を研いで水に浸し、昆布を置いてそのまま2時間。醤油・酒・塩を加えて混ぜ合わせ、さらに1時間。そろそろ...と昆布を引き上げ 松茸投入、炊飯開始。うちの炊飯ジャーは50分で炊けるのだけど、20分もすると部屋中になんとも芳しい香りが漂った。そう。松茸は、この香りが最高なのだ!
うちは夕食が遅め。21時半、22時に晩酌後のゴハンがスタートする。ということで、炊き上がりは21:45狙い。さてどうでしょう。

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ジャーを開けた瞬間、夫が「いい匂い!」と声をあげた。
最近 買ったばかりの東屋のご飯茶碗によそって三つ葉を載せると、おお、いい感じ。いい彩り。思わず見惚れる。

それにしても、いい香り。空気に乗って 香りがふわふわ泳いでいるようだ。TVで 松茸産地の子どもたちが 給食で出された松茸ご飯を前に「いい匂い!」と言っていたのを「本当にわかる?」と半信半疑に見ていたけれど、これはさすがにわかるか、と納得。

夫婦二人 同時に最初の一口をいただく。
美味しい。味なのか、香りなのか、何がこんなに心地よくさせてくれるのかわからないけれど、美味しい。一口ひとくちに顔がほころぶ。松茸の香りと三つ葉の香りが切れ目なく交代で次々やってくる。

前にもおすそ分けをいただいて松茸ご飯をつくったけれど、こんなに感動したっけ?あの時と今と何が違うんだろう。
食に向き合う気持ちと かけた手間、そして三つ葉と器。つまりは、”気持ち” と ”しつらい”。ただただ 突っ走る日々を送っていると、その「瞬間」に目がいかない。器だって、彩だって、「より美味しくいただこう」とする気持ち。味わいは、舌だけじゃなく 鼻も目もはたらいて感じるものなんだから、やっぱり、おざなりにしてはいけないのだ。

忘備録的レシピ

今回のレシピは愛読している「白ごはん」をベースに過去の自己流と合わせたもの。美味しくできたので、またの機会に再現できるよう、メモの意味を含めて書いておこうと思います。

 《材料》
 ・お米 2合
 ・お水(炊飯器で普通に白飯2合を炊くときの分量。きもーち少なめ。)  
 ・松茸(中サイズ) 1本
 ・だし昆布(今回は利尻昆布使用)10㎝角ぐらい 
 ・醤油 大さじ1.5
 ・酒 大さじ1
 ・塩 ふたつまみ
 ・三つ葉 少々

 《作りかた》
(1)普通にお米を研ぐ
(2)普段の炊き加減より きもーち少なめのお水をいれる(炊飯器のお釜にて。)
(3)だし昆布を入れ、2時間ほど置いておく
(4)醤油・酒・塩を入れ、全体をそーっと混ぜる
(5)昆布を取り出して割いた松茸を入れ、30分〜1時間ほど置く(茸は炊けると縮まるので 細かく割きすぎないよう注意。)
(6)炊飯カイシ!
(7)炊き上がったらよく混ぜ、10分ほど蒸らしタイム
(8)器へ。ふんわり、山型。刻んだ三つ葉を散らして食卓へ。

今週のお題「最近おいしかったもの」にちなんで、”松茸ご飯”でした!