食としつらい、ときどき茶の湯

ふつうの暮らしをちょっとよく。背伸びしないで今日からできる、美味しくて心地よい暮らしのヒントを集めています。

家をつくろうとする方・つくられた方の傍で、 家 人 暮らしを永年見守り続けた 元・建築設計事務所 広報担当から
日々の暮らしを見つめるヒントをお届け。家の捉え方、 暮らしの向き合い方を見つけるきっかけになれば嬉しいです。

野菜はアタマからシッポまで

野菜を切ったら出てくる 皮やヘタ。捨ててしまわず 冷凍してストックし、色々な素材が集まるとできてしまうのが、野菜だしのスープ。

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野菜だしのスープは、ふわっとやさしい風味がする。もちろん、使う野菜によって色も香りも全然違うのだけれど、そこがまたオモシロイ。玉ねぎの薄皮や人参が多めなら褐色に、大根の葉やネギのアタマが多めなら黄金色に、白っぽい野菜ばかりでも淡い黄色になったりする。じゃがいもの皮が入った時はホクホクした香り、玉ねぎのヘタが多めなら甘い香り。回数を重ねるごとに傾向は読めてくるのだけれど、何も狙うことなく「さて今日はどうなる?」と出来上がりを楽しむのが醍醐味。
説明するまでもないけれど、一応簡単に説明を。

 

(1)野菜のアタマとシッポの用意

f:id:our_table:20181023140644j:plain野菜の皮、ヘタ、芯など、いろいろな「野菜クズ」をミックスしてお鍋に入れたら野菜がかぶるくらいの水を入れる。
この日は冷凍保存していた人参のヘタと皮、玉ねぎのヘタと薄皮、じゃがいもの皮、大根の皮、ほうれん草の根元、りんごの皮、梨の皮。そこに採ったばかりの二十日大根の葉を投入。果物の皮は少々悩んだけれど、ここは思い切って入れてみる。たいてい失敗はない。

(2)煮込む

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お鍋に野菜を入れて水を入れたらコトコト。ただ煮込むだけ。アクが出たらアク抜きを。弱火で10分も煮込めば 淡い色がでているはず。一旦火を止め、ある程度冷ます。(時間がなければ冷ます工程を飛ばしてしまってもいいけれど、この間に味が野菜からじわじわ味も色もでてくるので、できれば10分でも20分でもおやすみタイムを。)冷めたら再び火にかけコトコト。5分も煮込めば十分、もうしっかりダシはでているはず。ここでコトコトは終了。

(3)野菜を取り出す

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野菜を引き上げてみると、お鍋には淡い黄金色のスープが。いい香り!
余力があれば キッチンペーパーを敷いたざるで濾し、急ぐ場合は漉さずに使う。このダシに少々の塩を足せば もう十分。ポトフなんかにしたら最高。コンソメのダシとは全く別物、ふわっとやさしいポトフができるのだ。

煮込む時間・置いておく時間はかかるけど、正直手はかからない。素材を入れて放っておけばできてしまう。野菜は「身」だけじゃなくって「アタマ」から「シッポ」まで。このスープをいただくたび、「やるなぁ」と野菜の懐の深さに驚いてしまう。