食としつらい、ときどき茶の湯

ふつうの暮らしをちょっとよく。背伸びしないで今日からできる、美味しくて心地よい暮らしのヒントを集めています。

家をつくろうとする方・つくられた方の傍で、 家 人 暮らしを永年見守り続けた 元・建築設計事務所 広報担当から
日々の暮らしを見つめるヒントをお届け。家の捉え方、 暮らしの向き合い方を見つけるきっかけになれば嬉しいです。

感性の種

おもてなし その裏側を知る

「お茶事」は、誰もがよく知る"抹茶とお菓子"だけでなく、食事を伴うおもてなし。 本来、茶道はこの一連のおもてなしを通じて客人と亭主が心通うひと時を楽しむのもので、もてなす側・もてなされる側も、五感をフルにつかって全神経をこのひと時に傾ける。 …

空間をガラリと変える ファブリックパネル

勤めていた設計事務所では、性能の高さやデザイン性などから北欧スウェーデンの住宅を研究していた。建築はもちろん、インテリアや家具、文化、ライフスタイルなど北欧の情報に触れる機会が多く、私自身、気がつけば 北欧テイストが体になじみ、和と北欧が融…

母のお弁当三原則

母のお弁当 高校生になってお弁当を持っていくようになると、母は 父のお弁当に加えて私のお弁当もつくってくれるようになった。前にも書いたが、母は「盛り」にうるさい。決して豪華でも 特別手が込んでいるわけでもない 普通のお弁当だが、娘から見ても母…

キキの街、ドゥブロブニク

キキの街 宮崎駿監督のジブリ映画、「魔女の宅急便」が好きな女子は多い。私もその一人。13歳で一人立ちしたキキが辿り着いたのは 海のそばの小さな街。喜んだり塞ぎ込んだり この年頃ならではの描写に 自分を重ねた人も多いのでは。みんなこんな甘酸っぱい…

暮らしのなかの日々の花「センニチコウ」

センニチコウ。夏から秋にかけて、長い間咲き続けることから「千日香」と名付けられたそう。センニチソウともいうらしい。 花のある暮らし このお花、設計事務所時代から慣れ親しんだものの一つ。完成したばかりの殺風景な家に人さまをお迎えしたいとき、所…

朝が始まる前に 〜バラガンの朝食室に思う〜

朝が始まる前 近ごろ ずいぶん日の出が遅くなった。 夏至前後 2-3ヶ月の日の出は4時台。薄暗いうちから飛び起きて 日の出15分前のピンクの空を眺めて帰ってきても、あたりはまだ静まりかえっている。世の中が動き出すまでのひと時、本を読んだり書きものをし…

感覚のリセット

茶道を習い始めて十数年。仕事帰りに 意識朦朧 ヘロヘロ状態で先生のお宅にたどり着き、「今週もどうにか ここへ来た」という妙な達成感をもってお稽古に望む日々。身支度を整え しっかりお茶と向き合う用意をしていくべきところ、ただただ半身でお稽古場に…

ときめき!!『ラブおばさんの子供料理教室』

今でも大事に持っている、子どもの頃に買ってもらったある本のお話。 おもちゃ屋さんには近寄らないけれど、本屋さんにはよく連れて行ってくれた母。「一冊だけね」という声を合図に好きな本が並ぶエリアに急行するのが常。ただし その『一冊』にはマンガは…

ほろ苦コーヒー まろやかコーヒー

むかしから、毎朝必ずコーヒーを淹れる。漂う香りがなんともいえない。ちょっとでも時間があれば豆からガリガリ。挽き立ては、ミル済コーヒーの数倍香りが良くて幸せ度が違う。ところが最近、そんな香りを楽しむ朝のルーティーンに衝撃が走った。 『コーヒー…

茶碗の中のご飯の美学

母は食事の盛り付けに少しうるさい。 「美味しそうに盛る」 これが口癖で、子どもでも ごはんの盛り方がきれいじゃないと容赦なくやり直し指令をだしてくる。 「美味しそうに盛りなさい」 父のごはんは やや大ぶりのお茶碗にたっぷり盛り。一膳めは、お茶碗…

日の出15分前のキセキ

毎朝、世の中が始まる前に公園を散歩する。眠れないまま朝4時を迎えた6月の終わり。何気なくカーテンの裾から窓の外を見てみると、空が この世のものとは思えないほど美しいピンク色に染まっていた。衝撃。こんな素敵な時間があったことを知らずにうん十年…

素敵な家に 素敵な暮らしが付いてくるわけじゃない

竣工したての現場にて。建物はもちろん外構など敷地全体が調い、醸し出す雰囲気も素敵。お施主さまがお住まいになるまであとわずか。 長年、設計事務所で 沢山のお客さまに接してきて思うのは、どんな方もその後の すてきな暮らしを思い描いて家をつくるとい…